コンセプト
教育コストの掛からない国に
近い将来、中国もインドもブラジルも国民の知識水準が向上し、日本と同じようなものを簡単に作る様になるでしょう。同じようなものを世界中で作っていたら、「人件費が一番安い国」が商品価格を安く抑えられて、有利になるに違い有りません。
日本が高度経済成長を経て、先進国と同等の給与水準になったように、中国もインドもブラジルも、早晩その水準に接近してくるでしょう。同じような給与水準の国の人口が40億人近くになるという、人類が経験した事のない社会がそこには存在するのです。さて、ここで私たちは幾つかの事を考える必要に迫られます。人材以外には資源が無い日本は、これからも多額の外貨を獲得しなければ、現在の生活水準を維持していく事は困難になります。私たち日本人は、今までのように、「常に新しく、高付加価値な商品」を生み出していく事は、可能なのでしょうか?
恒常的に世界をリードする事は、並大抵の努力では達成し得ません。それを実現するためには、高い水準の教育が必要になります。日本の現状を考えると、その教育には大きなコストが掛かる事になるでしょう。賃金に対する教育コストが大きくなれば、実質的な可処分所得は小さくなってしまいます。(詳細資料1)全ての家庭が、その教育コストを支払う事が出来るのでしょうか?(詳細資料2)他方、多くの国との競争に晒されながらも、国民の多くが、質の高い教育を著しく低いコストで手に入れることが出来れば、同じような賃金水準でも、実質的可処分所得は大きくなり、生活は良くなることが考えられます。経済的に困窮していても、努力をする人が報われる社会にするためには、「国際的に通用する水準の能力獲得までは、教育にお金が掛からない」教育システムが私たちの社会には必要です。「豊かな社会を、未来の子供たちに。」「安心して子供を育てられる社会を。」この思いを実現するために、私たちは歩き始めます。
事業立ち上げの背景
網羅的で質が高い講義がビデオ化され、費用を気にせず、何時でも、何処でも、誰でも、好きなだけ見る事が出来、更にこの講義用の教科書までダウンロード出来たら何が起きるでしょうか?そのWEBサイトに行けば、年齢も性別も職業も住む所も違う友人と、仮想教室のクラスメートとして励まし合いながら学ぶ事が出来るとしたら、どうでしょう?網羅的で体系だった質の高い知識は、学ぶ意欲を高めてくれるかも知れません。家庭の収入による教育機会の偏在は、かなり解消されるかもしれません。有能な教師の偏在に教育現場が苦悩する事も少なくなるでしょう。
学ぶ側の理解力に応じたテーラーメイドの学習を進める事も可能になり、教師は学生個々の習熟状況に、より多くの時間を割いて指導ができるようになるでしょう。学科の弱点を補強する、得意科目を強化する、学校の授業より先に進む、学生時代に不得意だった教科を学び直す等、様々な使い方が出来る筈です。そのWEBサイトは日本中のみならず世界中の仲間たちを繋ぎ、共に学ぶ友人の存在は、必ず学ぶ励みを与えてくれる筈です。4年前のある日、テレビ・映像制作・IT・医学・教育・行政の分野に知識を持つ人間たちが、「ビデオ・オン・デマンドシステムの最も効果的な使い方は何か?」という問題を考えている際に、時代を変える可能性を秘めたその方法論は考えだされました。この方法論を聞いたある高校の校長先生OBは、「そんな魔法の杖みたいなものがこの世に有るわけ無いでしょう」と評してくれました。発案者たちはその「魔法の杖」は教育の世界を一変させる力があると確信しました。その新しい教育システムは、4年の歳月を掛けて、この世に産声を上げようとしています。
1本目の「魔法の杖」が世に出たのち、2本目・3本目が生み出されるためには、「よき企業市民」として活動している企業の皆様に広告宣伝を掲載していただき、「魔法の杖」を使う人々がその宣伝を受け入れて頂けることが鍵になります。近い将来、「魔法の杖」は日本中だけでなく世界中で使われるようになるに違いありません。私たちが作ろうとしている新しい教育システムで、チャンスと力を得た若者たちが、いつの日か次の世代へ新たな魔法を生み出す努力をしてくれるに違いない。私たちはそう願って、皆様の前に私達の魔法をご紹介出来るよう準備を積み重ねて参りました。
VOD配信講義と教育について
「講義力」と「指導力」
「教育」とはどのような要素から出来上がっているかを考えたとき、「如何に真実を分かりやすく教えるか」「学ぶ者がそれを理解し吸収し、自分のものとして活用できるようになっているか」この2点が教育の本質であると考えます。この本質を2つの言葉「如何に真実を分かりやすく教えるか」=「講義力」「学ぶ者がそれを理解し吸収し、自分のものとして活用できるようになっているか」=「指導力」と定義して、この2つの要素がどんな状況に置かれているか考えてみましょう。
「講義力」の現状を考える以下の話は、それが事実である以上、私たちは目を背けている訳にはいかないものです。ある分野を中心に深い研鑽を積んで来た者だけが、学ぶ者に対して、その分野の本質を分かりやすく説く事が出来るのです。卓越した講義力こそ、学ぶものにとって最も重要なものになるのです。高い講義力を持つ講師は、全国各地に多数存在している訳ではないようです。一般的に特定の学問領域で、成功を収めたり将来を嘱望されるような人々は、初等・中等教育現場に就職しないと言う事実を踏まえ、日本の子供たちが良質な講義を受講できる環境を、如何に実現できるかを考えなければなりません。
「指導力」を考える
すばらしい講義を受けても、それが身に付かなくては意味がありません。すばらしい講義がそこにあっても、学ぶものにそれを受け入れる準備が無ければ、意味をなしません。教育現場では、知識を受け入れるための準備状況は生徒・学生により千差万別です。それぞれに最適の講義を与え、その習熟状況を確認し何が不足しているかを判断し、知識を補足してやる事、それを私達は「指導力」と呼んでいます。
「講義力」と「指導力」を一人の教師によって発揮出来るか?
どんなに能力別クラス編成をしても、クラスの中の学力には差が発生します。そのクラスの中で、後れた者に補習授業を行い、進度の速いものには発展授業を行う・・・そんな事が可能でしょうか?授業内容を考え、補習授業を行い、全ての生徒・学生の習熟度を把握し・・・(詳細資料3)一人の教師には無理な相談です。(詳細資料4)これは、言い換えれば、自らの手で病理分析を行い、それに基き薬を合成し、投薬指示を行い、患者の様子を見る医師のようなものです。それを、我々は教育現場で教師に求めているのです。
「塾・予備校・家庭教師を分析し、学校のあるべき姿を問う」
◆ 子育てのつらさの内容(資料5)
(出典)内閣府「社会意識に関する世論調査」(平成20年2月)
◆ 予定子ども数が理想子ども数を下回る理由(資料6)
(出典)国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査」(平成18年6月)
◆ 親の収入と高校卒業後の進路(資料7)
不十分な講義、不十分な指導は、子供たちから学校に於ける学習意欲をそぎ、保護者は成果の出せない学校に見切りをつけ、塾・予備校・家庭教師にお金を払います。(資料5)(資料6)その結果として経済格差=学力格差(資料7)といった状況を生み出す事になっているのです。
予備校では、生徒個々の習熟度管理はあまり行われていません。しかしながら、ポイントを押さえた楽しい講義は、生徒の学習意欲と成績に直結する知識を提供します。他方、家庭教師は、問題を解く生徒の手の動きまで観察し、どこで迷っているのか、何が分からないのかを把握します。塾はその中間に位置し、講義と学習進度を程々に管理しています。塾・予備校・家庭教師のいずれも、第1義的な教育は学校におけるものであると考えています。そして、その補足を行っているに過ぎません。それはなぜでしょう?もちろん、それは生徒が1日の大半を過ごす場所が、学校であるからです。では、学校はどうあるべきでしょう?「個々の生徒の進度に合わせた講義を行う」「生徒が講義を理解し習熟したかを確認し、次に受けるべき講義を示す」この2つが出来れば生徒は学校以外で補習を行う必要はなくなるのではないでしょうか?
「V.O.D.配信講義が生み出すもの」
配信講義それは動画の教科書です。同時に、「講義力」を提供する道具でもあります。最高の講師陣により、最高の講義を教室に提供する事が出来れば、先生は教室で生徒の様子を確認しながら、映像を途中で停止し補足説明を入れながら授業を進めることが出来ます。講義の概要が分かっていれば、教師は習熟度チェックの指針を立てることが出来、個々の生徒の習熟度確認に専念出来ます。これは医療で言えば診断にあたります。遅れてしまった生徒には、講義の再受講を指示し、時間を持て余している生徒には進んだ講義、もしくは発展レベルの講義を受けるように指示が出来ます。これは、投薬に似ています。教師は、現場に合った基礎から発展レベルまでの講義を多くの配信講義集の中から選択し、それが何時でも自在に使用出来るようにしておきます。これにより、さまざまな症状の学生に対して、的確な配信講義の処方箋が書けるという事になります。夏季・冬季・春季の長期休みでも配信授業は受講可能になっています。集中学習期間として、遅れを取り戻したり、更に発展させたりする事が可能です。また、ネットワークを通した受講管理が可能ですので、長期休暇で旅行中でも講義を見ることが可能です。また、自宅でも視聴が可能ですので、宿題として視聴を指定することも可能です。先生には、より多くの時間を生徒と共に過ごし、生徒の良き相談相手として学習診断と指導を行って頂きたいと思います。地域毎・学校毎・学年毎・先生毎に、配信講義を自由に利用して、学習指導に役だてて頂き、効果的な利用方法を発見された方々には、その知見を多くの利用者の皆様にフィードバックして頂ければ幸いです。